消費税率8%から10%への税率アップがいよいよ1年後の来年(2019年)10月1日に迫ってきました。今回は、消費税率アップ前に購入したい方への注意すべきポイントの特集です。FP住宅相談ネットワーク代表で1級ファイナンシャルプランニング技能士(CFP)の黒須秀司講師がわかりやすく解説致します!
来年9月末までに契約すれば大丈夫??
消費税率10%へのアップは、来年(2019年)10月1日です。まだ1年先のことだし、それまでに気に入った住まいを見つけて契約をすれば大丈夫とお考えであれば〝失格〟です。と申しますのも、掛かる税率は建物の引き渡し日を基準としますので、原則来年9月30日までに建物の鍵をもらえる(=引き渡し=所有権登記)ことが必要だからです。このことは、新築マンションや新築一戸建て、また、業者が売主の中古物件でも同様の扱いです。鍵をもらえるまでには、住宅ローンの手続き、新築であれば建物の表示登記というものが必要になります。そのため、お住まいのご契約から鍵の引き渡しまでには、おおむね1カ月程掛かるとお考えください。また、未完成の物件であれば、当然建物が完成して鍵の引渡しが9月末日までにできるかどうかが文字通り〝カギ〟になりますので更に注意が必要です。
注文住宅で建築する場合は
来年3月末日までってどういうこと??
既に土地を持っていて新たに建物を建てたり、建て替えたりする方、また、新たに土地を購入して建物を注文建築で建てる方の場合は、いつ建築がスタートしたとしても来年9月末日までに鍵の引き渡しが行えれば税率は8%のままです。
しかし、間取りなどの打ち合わせが長期化して着工が遅れたり、天候不順などの事情により工期が延びる、また、(税率が低いうちに購入したいという方が増える訳ですから)工事が込み合うことで工期が延びるなどして、結果として来年9月末日までに引き渡しができない事態も考えられます(事実8%への移行期にはこの事態が頻発しました)。そのため、来年3月末日までに建築請負契約を締結していれば、工期が延びて建物の引き渡しが来年の10月以降になったとしても税率は8%とする「経過措置」が設けられます。もし、これが来年4月1日の建築請負契約で来年10月以降に鍵の引き渡しとなれば税率アップ後の10%が適用されます。ということは、注文建築で建物を建てる方は、来年3月末日までに建築会社との間で建築請負契約を締結された方が、より安全ということになります。
土地探しからスタートされる場合
土地探しからスタートし、その土地に注文建築の住宅を建てる方は更に注意が必要です。何故ならば、気に入った土地を探す時間が必要だからです。1年というスパンでマイホームを手に入れようと考えていている方でも、土地から購入される方は前述の通り来年3月末日までは余り時間がありません。それまでに気に入った土地を手に入れ、かつ、ハウスメーカーなどの建築会社を選定し、建物の請負契約を締結しなければならないからです。
駆け込み需要って??
まず、不動産の実勢価格というものは、需給バランスで形成される最たるものであることをご認識ください。この特集をお読みになっている方、数千万円もする住宅であるが故、絶対に損はしたくないとお考えなのではないのでしょうか。そうなんです、他の多くの方も同じ考えなのです。どうせ購入するならば税率が上がらないうちに買ってしまいたいという発想をされる方が増えることによって需要増となり、結果として需給バランスが崩れて販売価格が上昇するということが起こり得るのです。例えば、3,500万円の販売価格が5%上昇すれば175万円アップ、10%価格が上昇すれば350万円もアップすることになります(事実このような事態も8%への移行期には頻発しました)。数千万円単位の商品なだけに、数パーセントの価格上昇でもダメージは大きいと言わざるを得ません。場合によっては、消費税率が2%アップする以上に打撃が大きいと言えるでしょう。駆け込み需要は、新聞やテレビなどで消費税率アップの報道が活発になってくると、それによって需要が喚起されるという側面があります。ですから、あまり直前での動き出しはおすすめできません。慌てての決断にならないよう、余裕をもって早めのスタートをされるのが得策です。
FP住宅相談ネットワーク各社では、未公開の住宅情報や土地情報も豊富に取り揃えています。また、ご相談者が借りるべきおすすめ銀行の選択方法や安全な借入額、メリット豊富な借入形態なども住宅ローン専門のファイナンシャルプランナーが的確にご提案いたします。
一戸建てやマンション、土地から探して注文建築を目指される方も是非一度FP住宅相談ネットワーク各社にお問合わせしてみてください。
ひとまずはこの秋、他の人に先んじて動き出すことがきっと成功への第一歩になるはずです。