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特集322、3月に建売住宅の大幅値引きが行われるのはなぜ?

特集31 2、3月に建売住宅の大幅値引きが行われるのはなぜ? アパレル業界のウィンターセールやサマーセールといった季節の変わり目毎のセール、家電業界のボーナスを標的としたボーナスセールなど、1年を通して見ると、さまざまな業界で定番化したディスカウントセールが行われています。 実は、(ほとんどの方はご存知ないかと思いますが)このようなディスカウントセールが住宅販売においても行われているのです。そして、その時期は正に2月と3月なのです。 このあたりの事情を1級ファイナンシャルプランニング技能士(CFP)でFP住宅相談ネットワーク代表・黒須秀司が詳しく解説致します!

パワービルダーの存在

 “パワービルダー”という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?業界用語ですので、ご存知の方は少ないかも知れませんね。実はこの言葉、1990年代半ばから不動産・建築業界で使われるようになった和製英語です。供給量が豊富な建売業者のことで、一般的には株式を上場している建売業者のことを指します。 例年このパワービルダーの多くが、3月末の年度末(決算)に向け、2~3月にかけて正に価格破壊的な在庫一掃処分セールのようなものをするのです。これが、建売住宅業界の一大セール期間ということになります。

今年の事例

本稿を書いているのは、2016年1月12日ですが、既に一部の商品で値引き販売を始めています。それでは、現時点でのリアルな事例をいくつかご紹介しましょう! 今年の事例 いかがでしょう。(※1) このように今年も市場では3月末の年度末に向けての大ディスカウントセールが展開されているのです。

このような物件情報の入手方法

 実はこのような価格改定や値引き情報は、インターネットなどの広告媒体では周知されず、また、取り引きも水面下で行われるといった傾向があります。その理由とは、価格改定される物件が複数棟のまとまった現地であったりすると、値引き前に購入された方への手前、改定後の価格でインターネットをはじめとする媒体で広告活動を展開しづらいからです。結果として、このような物件情報は、一部の力のある不動産仲介会社に優先的に集まることになります。また、価格改定や値引き情報は時と場合によっては同一現場で数日の間に立て続けに行われることもありますので、情報収集力・販売力のある会社とお付き合いすることが物件情報入手の近道となるでしょう。(※2)

重要ポイント

このようなセール物件でご注意頂きたいことは3月末までの引き渡しが条件となることが多いということです。建売業者としては、決算や期末に合わせて売り上げ(入金)を確保したい事情からこのようなセールをする訳です。そのため、3月末までに引き渡しができない=入金がされないということであればセールをする意味がありません。こういった事情から、契約後のさまざまな手続きから逆算すると、住宅の購入契約(≒セール期間)は3月上旬がタイムリミットということになります。 また、例年、4月に入って売れていない商品は再度値上げをし、価格を戻すことも行われています。 お買い得物件を手にされたい方、この時期、一年を通して最もお買い得な物件が出るタイミングとも言えます。是非このチャンスを逃さないようにしましょう! ※ 1. 記載は当初価格と1 月改定価格との差です。その間に価格変動があるものもございますが、本稿では割愛させて頂いております。 ※ 2. FP住宅相談ネットワーク各社では、販売中の物件の価格変動をお知らせするサービスも行っております。お気軽にお問い合わせ下さい。